夢追い人であれば、一度は読んでもらいたい漫画がある。
JAZZ漫画『BLUE GIANT』(石塚真一)。
宮城県仙台市、ごく平凡な高校生活を送っていた主人公・宮本大がJAZZに魅せられ、サックスプレイヤーを目指す物語だ。
「これがとにかく熱い」と巷で広がり、あの毒舌芸人・有吉弘行もラジオで絶賛したことが話題に。
実際、どの書店のレビューを見ても、「傑作」「号泣」の文字が躍っている。
こんなに読者を惹きつけてやまない漫画はそうそう無いのではないだろうか。
受賞歴も多岐にわたる。
「マンガ大賞2016」第3位
「第62回 小学館漫画賞」大賞
「第20回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門大賞
この作品を評価しているのは一般読者だけでないことが一目瞭然である。
著者・石塚真一は、映画化もされたあの登山漫画『岳』の作者。
1コマ1コマの迫力ある描写にファンの多い作品だが、山から音楽へとテーマをガラッと変えても尚、その迫力は健在である。
今回は、語り尽くせぬ『BLUE GIANT』の「ここがすごい!」という魅力の中から、幾つかを抜粋してみたい。
絶賛の嵐!JAZZ漫画『BLUE GIANT』あらすじ
ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
本作は、2013年「ビッグコミック」に連載され、2017年3月に10巻で完結している。
ただ「完結」と言っても、あくまで『BLUE GIANT』が完結している、というだけである。
そう、本作には続編があるのだ(タイトルは『BLUE GIANT SUPREME』)。
この続編は、現在も「ビッグコミック」にて連載中。
単行本は既刊5巻が発売されている(2018年10月現在)。
それでは、早速『BLUE GIANT』の「ここがすごい!」を紹介する。
『BLUE GIANT』のここがすごい!①主人公・宮本大は「努力」の天才に他ならない!
『BLUE GIANT』の主人公は、冒頭でも述べた通り、仙台市に住むごく普通の男子高生(だった)・宮本大。
友達に連れて行かれたJAZZバーでJAZZの生演奏を目の当たりにし、本人曰く「ジャズにうたれちゃってさ。」と、釘付けになってしまう。
それからと言うものの、世界一のJAZZプレイヤーになるべく彼は独学で練習に励むのだが、その「努力量」に胸打たれるのだ。
主な練習場所として描かれるのが、広瀬川の河川敷。
この河川敷で大がサックスを吹き続けるシーンは、何度も登場するいわばこの作品の顔とも言える。
しかも大は、ただ練習し続けるだけではない。
いつも「世界」を見据えた眼をしている。
たとえ現時点でその「世界」が遥か遠くにあったとしても、目指すべき地点をひたに見続けることで、大はモチベーションを高く保ち続けるのである。
来る日も来る日も「努力」し続けることができる。
根拠のない自信にも思えるが、常に高みを見据え続ける熱さこそが大の人間的魅力であり、そんな彼の熱さに影響され、突き動かされ、巻き込まれていく人たちがこの物語にはたくさん登場する。
勿論、我々読者もまた気づけばその一人となっている。
『BLUE GIANT』のここがすごい!②JAZZの音楽が、コマ越しにバシバシ伝わって来る!
漫画と音楽は、決して相性が良いとは言えない。
コマから音が流れない以上、それをどう漫画で表現し得るのか、非常に難しいからだ。
しかしそんな前提を、この『BLUE GIANT』はあっさりと覆す。
この漫画からは、はっきりとJAZZが聴こえてくるのである。
ひときわ大きいコマで描かれる演奏シーンでは、演奏する者の表情を(額に滲む汗まで鮮明に)、それを聴く観客の反応を、セリフを一切使わずに描き切る。
迫力のある背景も、その演奏がいかに聴く者を圧倒する演奏であるかを想像させる。
『BECK』『坂道のアポロン』など、音楽表現に長けた漫画は数多くあるが、それらの名作に引けを取らない表現力なのだ。
とりわけ、大が仲間とセッションするシーンは圧巻である。
臨場感あふれる生ものとしてのJAZZがそこに描かれており、音楽を通じた一瞬一瞬の駆け引きの模様も、非常に面白い。
『BLUE GIANT』のここがすごい!③仲間との対峙、不安定な生活、綺麗ごとを語らない物語!
最初は1人で黙々とサックスを練習する大であったが、次第に彼のほとばしる熱さと奏でる音に魅せられた仲間たちが集まってくる。
ただ、個の強い演奏者が集まって1つの音楽を作り上げるとなれば、衝突も起こるだろう。
『BLUE GIANT』では、JAZZを奏でる者たちどうしが音楽でぶつかり合い対峙する様子も、繊細に描かれる。
重要なのは表現力?スキル?それともパッション?
各々のプライドがぶつかり合う、音楽の「泥臭い」裏側は、リアルである。
また、JAZZを志すにあたり避けては通れない「生活の不安定さ」に関しても、現実的な視点で描かれている。
バイトしたお金で生計を立てながら、ギリギリで音楽をやっている主人公・大とその仲間たち。
JAZZを仕事にしようとすることは、たとえ漫画の世界であったとしても甘くない。
良い意味で「綺麗ごと無し」の夢追い漫画である。
JAZZ漫画『BLUE GIANT』 ネタバレ・レビューまとめ
JAZZに燃える演奏者の物語であるが、音楽に精通していない人でも十分に楽しめる。
それはきっと、『BLUE GIANT』が持つ「熱さ」「泥臭さ」「リアリティ」…響く要素すべてが「音楽」にとどまらず、普遍的なものであるからなのだろう。
この漫画は、何者かになりたいと夢見る人々にぜひ読んでいただきたい。
主人公・宮本大を始め、『BLUE GIANT』に登場するすべてのJAZZプレイヤーの生き様、音楽、その言葉から、良いエネルギーをもらえるはずだ。
完結10巻。まさに夢追い人のバイブル、そんな作品である。
「BLUE GIANT」 基本情報
作者:石塚真一
雑誌:ビッグコミック
巻数:完結(全10巻)
その他関連作品:BLUE GIANT SUPREME
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