擬人化漫画は数多くあれど、細胞を擬人化してしまうなんて発想は聞いたことがなかった。
その独創的な世界観で新人賞を獲得し、一気に連載、そして単行本発売へとスターダムを駆け上がった人気作『はたらく細胞』。
ただ単にその発想だけが突出していた訳ではない。
見事に細胞たちの「物語」が展開されており、その画力や構成に説得力が宿っている。
まさに細胞レベルで作り込まれた漫画『はたらく細胞』を紹介したい。
漫画「はたらく細胞」 あらすじ
肺炎球菌! スギ花粉症! インフルエンザ! すり傷! 次々とこの世界(体)を襲う脅威。その時、体の中ではどんな攻防が繰り広げられているのか!? 白血球、赤血球、血小板、B細胞、T細胞…etc.彼らは働く、24時間365日休みなく! 連載初回から大反響を呼んだ「細胞擬人化漫画」、待望の第1巻登場!
私たちの体内で日々活躍している様々な「細胞」。
そんな「細胞」たちを人間のキャラクターに置き換えて、その活躍ぶりを描く物語である。
物語としてしっかり楽しめるほか、普段は意識しない「自分の体内で起きていること」を知るきっかけにもなる。
こんな漫画は、初めてだ。
「はたらく細胞」のみどころ①それぞれの細胞の役割にあわせて作り上げられたキャラクターの個性
『はたらく細胞』というタイトルだけあって、登場人物は細胞や成分、ウイルスなど体内にある物質で構成される。
主人公は女子キャラクターである赤血球。
私たちの血液の中を流れ、ヘモグロビンを含んでいることから赤色をしている。
身体中に酸素を届け、肺へ二酸化炭素を運ぶ役割を果たしていることから、作中でも「CO2」と書かれたダンボールを肺まで運搬している様子が描かれ、なんだかイメージにぴったりだ。
一方で身体に侵入してきた悪い菌などを殺す働きを持つ白血球は、クールで殺気漂うイケメン男子キャラクターに。
白い格好をしてクールに体内を闊歩するが、一度危機が訪れると表情が一変。
侵入したウイルス目掛けて猛進し、素早く外敵を殺してしまう。
このギャップがまた堪らん…なんてファンも多いのではないだろうか。
また肺炎球菌やインフルエンザなどのウイルス(敵キャラ)も多く登場する。
それぞれいかにも悪さをしそうな「菌」のイメージにハマっており、かつて自分も苦しめられたなという体験と相まって、本当に憎らしく感じるキャラクターに仕上がっている。
舞台となる身体も、様々な器官が登場し、そのデフォルメ具合がなかなかに面白い。
例えば肺は、巨大な空港のような見た目をしており、いたるところに特大の扇風機のようなファンが取り付けられている。
発想力はもちろん、画も綺麗であることから、まるで実在する場所のような(実在はするのだが)そんな気がしてしまう。
ぜひ確かめてみてほしい。
「はたらく細胞」のみどころ②自分の身体のことを知る!漫画を読むという学び方
普段、自分の体内を覗くなんてことは滅多にないだろう。
ましてや、細胞レベルでその働きを見るということは日常生活では不可能に近い。
しかし、見ることが出来ないとはいえ、実際に細胞たちが活躍していることも事実なのだ。
日頃注目することのないその働きに目を向け、自分自身の身体で起こっていることを知ることは「健康」を考える上でも有意義だろう。
その観点から漫画「はたらく細胞」を読むと、細胞たちの役割や働きを詳細に理解することができる。
しかも、「楽しんで」理解することが出来るため、頭に定着しやすいのだ。
実際この漫画の作者である清水茜先生も、この漫画の誕生秘話を語るインタビューにて、妹の試験勉強を手伝うために執筆したことが始まりと答えている。
漫画は単なる娯楽ではなく、楽しみながら学ぶツールとしても可能性が十分にあることを証明してみせた作品と言えるかもしれない。
漫画「はたらく細胞」ネタバレ・レビュー まとめ
漫画「はたらく細胞」は、アニメ化・舞台化されるなど、その人気は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
特に細胞擬人化という発想から、物語をしっかりと作り込み、説得力のある画力で読み応えのある作品に仕上げた点が多くの漫画好きの支持を得ている。
権威ある漫画賞「このマンガがすごい!2016」にてオトコ編7位も受賞している本作。
ぜひこの機会に読んで、その面白さを実感していただきたい。
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