著者のツイッター投稿から火がつき、AbemaTVにてドラマ化されるまでの人気漫画となった『やれたかも委員会』(吉田貴司)。
最初はnote、cakesで発表されたもので、人気が広がっていった。
それもそのはず、絶妙な着眼点と、シュールな空間がクセになる。
個人的には、今年最も「不覚にも笑ってしまった」漫画が『やれたかも委員会』であることは間違いない。
そんな人気漫画、『やれたかも委員会』(吉田貴司)を紹介したい。
『やれたかも委員会』 あらすじ
もしもあの時、勇気を出していたら… そんな誰もが心に秘めている忘れられない夜を犠星塾塾長 能島明、ミュージシャン パラディソ、そして財団法人ミックステープ代表 月満子が判定します。「やれたかもしれない夜は人生の宝です。」
『やれたかも委員会』の面白ポイント①各エピソードに漂う哀愁に笑う
『やれたかも委員会』は、過去に自分が体験した「やれたかもしれない」エピソードを語り、それに対して判定員3人が「やれた」もしくは「やれたとは言えない」のどちらかの札をあげてジャッジする、というパターンで構成されている。
やはり一番の見どころは、実際には「やれなかった」事実を抱えながらも、「やれたかも」と前向きに捉える男たち(女性も登場しますが)の纏う哀愁。
コマ上に描かれる絶妙な雰囲気に、つい笑ってしまうからタチが悪い。
委員会の判定後、彼らの顔は切なさと清々しさが入り混じる。
きっとこの漫画(『やれたかも委員会』)は、我々に過去を受け入れ前向きに生きて行くことの大切さを教えてくれる。
『やれたかも委員会』の面白ポイント②判定員のキャラが秀逸
「やれたかも」なエピソードを聞いた上で、「やれた」のか「やれたとは言えない」のかを判定する3人の判定員。
オムニバス形式ゆえに各1話ごとに主人公は異なるが、主人公らをジャッジする彼らは常に固定メンバー。
『やれたかも委員会』はそんな判定員のキャラが非常に秀逸だ。
能島明(犠星塾塾長)
基本的に「やれた」の札ばかりをあげる。
主人公の心情に極度に対し感情移入し、彼らの「やれたかも知れない夜」にロマンを見出す熱い男。
パラディソ(ミュージシャン)
ヒャダイン的な、そんな立ち位置。(どんなだ。)
サバサバした性格だが、基本的には主人公の主張を尊重し「やれた」の札をあげる。
月満子(財団法人ミックステープ代表)
唯一の女性判定員。
クールな見た目通り、主人公の体験談を女性目線から厳しめにジャッジし、ほとんどのケースにおいて「やれたとは言えない」の札をあげる。
財団法人ミックステープってなんだ。
やはり男は現実を楽観的に捉え、メンタリティを保とうとするのだろうか。
かと思えば、〇〇の「やれたとは言えない」の主張も、どこか論点がズレていて笑ってしまう。
判定員3人の価値観のズレ、そして絶妙な掛け合いは、この漫画最大の見どころと言える。
というか、そもそもこのジャッジ自体よくよく考えれば一体何をしてんだと突っ込みどころ満載である。
『やれたかも委員会』の面白ポイント③ショートストーリーで読みやすい
『やれたかも委員会』は、1冊の中に数名分のエピソードが詰め込まれた、いわゆるオムニバス形式の漫画である。
(各エピソードごとに分冊版も出ている)
どれも「やれなかった」者たちの「やれたかも知れない」ばかりで、我々を何とも言えない気持ちにさせる体験談の連なりなのだが、短く分けられているぶん、『やれたかも委員会』はスキマ時間で1話がサクッと読めるから忙しい現代人には打って付けの作品だ。
どのエピソードも真剣さとくだらなさのバランスが良く、パターンこそ基本的に同じではあるが読んでいて飽きることはない。
先ほどスキマ時間と述べたが、暇な夜に『やれたかも委員会』を一気読みするのも悪くない。
『やれたかも委員会』 ネタバレ・レビューまとめ
冒頭にあるように、『やれたかも委員会』は今年最も「不覚にも笑ってしまった」漫画として、ぜひ推薦したい。
あの、なんとも言えない読了感を、誰かと共有させて欲しいのだ。
既刊2巻、計16話分の「やれたかも」なエピソードが読める。
それぞれの人生に、それぞれの「やれたかも」。乾杯。
『やれたかも委員会』、是非、読んでいただきたい。
『やれたかも委員会』 基本情報
作者:吉田貴司
雑誌:-
巻数:連載中
その他関連作品:やれたかも委員会 分冊版(100円/1話で販売)
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